おばさんになって挑んだプチ整形 パート1
私は、中学生のころから自分の鼻が嫌いだった。いわゆる団子鼻コンプレックス。私のトラウマは、イギリス留学中にホームステイ先の子供と雪だるまを作った時にまでさかのぼる。家族の雪だるまを作ろう!と、ホームステイ先の子供と庭で雪だるまを作った時の話。
パパ、ママ、子供雪だるまの鼻はニンジンだったのに、「これ、〇〇(=留学生の私)の雪だるまだよ~」って私の雪だるまを作ってくれたところまでは可愛かったのだが、何と、鼻に選んだ野菜は、スモール・ポテト・・・・ジャガイモかい?!子供は正直である。
2020年、コロナが全世界に拡大中、私は、考えた。
そうだ、小鼻でも小っちゃくしよう!
そこで、早速、鼻を整形している友人たちに相談。妹(血はつながっていないが、私を『姉ちゃん』と呼ぶ韓国籍の妹)は、性転換、豊胸、整形(顔全体から額の生え際を下げる手術まで何でもこなす)など、全てを網羅している。「姉ちゃん、私はビバリーヒルズでやったわ!」そうか。。。。コロナ中にアメリカに飛ぶのは、ちょっと気が引ける。もう一人の友人は、鼻を完全に1から作り上げたつわもの。「私は、美しい鼻をゲットしたのは後悔していないけど、鼻がよく詰まるのが問題点ね。。。。」ええっ、鼻が詰まるのか?!
思い立ったら、すぐ行動!早速、クリニックにコンサルテーションの予約を入れた。コンサルテーションの予約すら3か月待ち。美容外科医がよくしゃべる先生だったら、断ろうと決めていた。自分の今までの経験を適用すると、同業者の男性で良くしゃべる男たちは、腕が悪い。専門職をする者は、お喋りを上手にして客を喜ばすのではなく、腕で勝負するものだ。
手術当日、看護婦さんが、吸入麻酔薬が必要かどうか聞くので、鼻の周りに麻酔の注射は打つんだったら、要らないと、言ったのが間違い。最初の麻酔注射が鼻にブツっと刺さった瞬間、たかが針なのに、打つ場所によって、ここまで痛いのか!?。。。。やばっ、判断間違えた。次回は、麻酔注射を打つ前に吸入麻酔薬をお願いしよーっと。
先生が出際よく私の左右の鼻の穴の付け根部分を切除し、糸で縫合をした。1時間もしないあっという間の『切って縫い付けプチ整形』。先生ありがとー。
「はい、終わり―」先生が、術後の注意事項をお話して下さり、その後のアフターケアーは、看護婦さんにバトンタッチ。看護婦さんが、「〇〇さん、失血も少なく、無事に終了しましたよー」と、笑顔で、私の鼻に大きなガーゼをぴとっと張って、新しいマスクをくれた。
自宅に戻り久々に昼寝をした。2時間の昼寝から目が覚め、手術後の鼻が気になったので、早速、バスルームへ。鏡の前で、ガーゼを取ってみると。。。。
なんじゃ~

傷口から何本も流出した血の跡がドラえもんの髭のようになり、私は、ドラえもんのような顔をしていた。
爆笑
その日の私は、血ドラ。ハロウィンの特殊メークなど必要ない迫力。
それから数日後、外部に出ている吸収糸(溶ける糸)が、もろくなってきた頃の出来事。シャワーの後に、小鼻の横っちょから糸がピロっと出ていたので、引っ張ってみた。どうせ、2-3ミリ引っ張ったらすぐに切れるだろうと思って強気で引っ張ってみたのだが、これが驚くことに、どんどん出て来るではないか?吸収糸君、君は、私の小鼻の何所に隠れていたの?!
1センチ2センチ・・・・まだ、出てくるか?その時、突然『耳から白い糸』という皆さんもご存じの都市伝説の話が頭の中をよぎる。恐怖が、バスルームで一人寂しく糸を引っ張るおばちゃんをじわりじわりと襲う。笑
この都市伝説、耳に明けたビアスの穴から出てくる白い糸を引っ張ったら、脳幹神経の一部を引っ張り出してしまい、挙句の果てには失明までするという『青春真っ暗な』オチなのだ。スティーヴン・キング級のクリエイティブな学校教師が作り出した噂に違いない。実際の視神経は、タコ糸ぐらい太いそうだ。40をとうに超えたおばちゃんが、チャレンジしたプチ整形のお話でした。