コアラ顔で仏のように人間のできた社長さん

今月は、私の尊敬する大好きな方がお亡くなりになった。せめての慰めは、彼の死の瞬間が、平和で幸せであったことだ。こちらのご長寿、見た目は、コアラに似た小柄なおじいちゃん。彼との出会いは、近所のすし屋。当時の私は、連日の残業で自炊する余裕などまったく無かったので、自宅から徒歩2分のすし屋で毎晩と言っていいほど夕食を食べていた。しかも、カウンターで一人で。

毎晩のようにカウンターで夕食を食べる私に、すし屋の初代店主は、気の利いたお通しを出してくれ、気が付くと、隣にいつも座っているおじいちゃんが、ビールをおごってくれるという、いつの間にか一人ぼっちの夕食に仲間が増えていたのだった。挙句の果てには、店主から、「毎日、寿司と天ぷら食べてたら、体に悪い!」と言われ、社員の『まかない』の席に同席して夕飯をもらうこともしばしばあった。笑

このお寿司屋さんの『嬉しいおまけ』に、ポッキーがレシートと一緒に出てきたのだ。ある時、店主に、「お金を余分に払いますから、ポッキーをお土産用にもうちょっとください」と、お願いをしたら、お隣のおじいちゃんが、ひょっこり席を立ち、店の奥からポッキーを山のように鷲掴みで戻ってきたのだ。

「ほれ、好きなだけ持っていけ」

?!

おじいちゃん。。。。いくら常連でも、ポッキー盗難はいかんぞ。私が驚いた顔で店主の顔を見ると、店主も「好きなだけもっていけ」と、大黒の笑顔で言うではないか?!コアラ顔の謎の老人と大黒スマイルの店主、このすし屋は、変だ。

そんな変なすし屋に通いだして数週間後の事。お隣のおじいちゃんが、「〇〇はポッキー好きか?」と聞くので、「ポッキーも好きだけと、グリコの商品だったら、あれもこれも好き~」と、幼稚園児のように自分のお気に入りグリコ商品を披露すると、おじいちゃんが、「うちにもっとポッキーあるから、もらいに来い」と、言うではないか?

これって、私が本当に幼稚園児だったら、誘拐をするための『罠』か?!

私:「ポッキー、いっぱいあるんですか?」

おじいちゃん:「あるぞ」

私:「アーモンドの粒粒のついたやつも?」

おじいちゃん:「期間限定商品もあるぞ」

∑(ʘдʘ)!!

私:「おじいちゃんのご自宅にお邪魔させていただきますっ!」

さすがに30歳手前の仕事女子が、ポッキーをネタに失踪することは無いだろうと自分を納得させ、おじいちゃんの自宅にお邪魔することに。その晩、おじいちゃんのご自宅初訪問で発覚した新事実が何よりも驚きであった。

事実① 自宅にポッキー商品が山のようにあった(おじいちゃんの言うことは本当であった)

事実② 私の自宅から2件先のご近所さんであった

事実③ 私の親友であり姉ちゃんのような人であるTちゃんの知り合いでもあった

事実④ カナダグリコの創始者だった

ポッキーをかじり奥様が出してくれたお茶を飲みながら、「グリコの社長さんだったんですね!だからグリコって書いてあるTシャツをいつも来てるんですね~」と、私が言うと、「私は、ただのお菓子屋だ」と、そっけなく言った。ハンブル過ぎるぞ、おじいちゃん!!

私は、てっきりグリコの催し物でもらったTシャツを毎日着ているおじいちゃんかと思ってたわ。待てよ、毎日同じユニフォーム(同じスタイル)ということは、このご長寿は、アップル(Apple)の創業者であるスティーブ・ジョブズ(Steve Job)の黒のタートルネックにブルージーンズと同類の『カリスマ』人間か!?

カナダグリコ創始者のカリスマ伝説は、来週のブログに続く!