ジジイと呼ばれる大家⑦宿命のライバル、アライグマ その1
どちらが先にくたばるか?ジジイなのか?それとも、アライグマなのか?ジジイとアライグマの戦いは、未だに終結を迎えていない。昨晩も夜遅くベランダでアライグマを追いかけるジジイの足音が聞こえた。私が入居した当時は、ジジイの屋敷にモミの木が6本あった(現在は、5本)大昔にクリスツリーを植えたら、大木になってしまった典型的な失敗例だ。ジジイの失敗例のほとんどは、数十年経たないと、気が付かない。ジジイは、かなり疎いのだ。しかも、ジジイの失敗のほとんどは、修正不可能である。
「クリスマスツリーというものは、屋敷の中に植えるものではないぞ」と言いながら、伐採不可能なほど成長したモミの大木を見上げるのがジジイの決まり文句。この立派なモミの木にアライグマが住んでいる。モミの木が奴の寝床で、ジジイの家の屋根が奴のトイレ。ジジイの寝室の天窓の横に糞をためこんでいるのだ。なので、ジジイにしてみれば、面白くない。もう、かれこれ6年になるが、ジジイとアライグマの戦いは続く。ジジイとアライグマの戦争史をざっとまとめてみた。
2015年:3匹のアライグマは、ジジイに宣戦布告をしたが、そのうち仲間割れが生じ、うち1匹が、2軒先のドイツ人に捕獲される。残された2匹は、引き続きジジイの庭のブドウと桃を決死の覚悟で盗み続ける
2016~2017年:気が付くと、アライグマは、1匹になっていた。お隣さんがBB弾を購入して参戦。お隣さんの参加で、対アライグマ勢力の平均年齢が下がり、アライグマは、ボーっとしていると撃たれる役回りになった。何と心のないご近所さんだ。。。。アライグマ、それでもなおジジイの屋敷のモミの木を住み続ける。
2018年:隣人の迫害に屈しないアライグマのご近所さんだったスカンク君が、ジジイに捕獲され、近所の大学敷地内に捨てられた。対ジジイ同盟の戦友を失う。(ジジイは、スカンクのスプレー攻撃に合い、2週間匂いが取れなかった)
2018年夏:ジジイがモップでアライグマの脳天を直撃、アライグマが塀から落ちた。もう少しで、意識を失うほどの被害を受けた。
2018年夏(アライグマ危機一髪の翌日):同情した私から生エビと生卵をもらう。野生動物へのご褒美は、いけない事だが、ジジイに意地悪をされた時だけは、ラッキーな事が起きても良しとする。
2019年:BB弾乱射バカご近所さんが、アルバータ州に引っ越し。アライグマほっとする。
2020年:コロナ渦の影響で、ジジイが自宅にいることが多くなったことがきっかけで、ベランダが激戦区になる。アライグマ、ジジイに棒でおケツをたたかれる。。。
2020年冬:アライグマ引っ越し。ジジイがベランダに置いたソファーが気に入ったらしく、モミの木を卒業しソファーの上で寝ることにした。
2021年年明け:ジジイは、ゴム銃(スリングショット)を購入して、冷凍したオリーブをパチンコ玉代わりに、アライグマと戦う。
まだまだ、終わりそうにないジジイとアライグマの戦い。ジジイよ、たまにはアライグマに同情してあげてくれ。食物連鎖の頂点に立ったような気分でいるようだが、人間様がこの世で一番勘違いをした愚かな生き物である。