人類初の月面着陸は、ブルーチーズ?!

私のお気に入りの1つであるスティルトン・チーズ(Blue stilton cheese)は、イギリスのDerbyshire、 Leicestershire そしてNottinghamshire のカウンティ―で生産されている『アオカビ君チーズ』。世界三大ブルーチーズの一つで、牛の乳と青カビを混ぜ『金串突き刺しの刑』に処して空気孔をあけ、チーズの中の方から熟成させる。成熟期間は、12から14週間。ちなみに、ブルーチーズを美味しく食べるコツは、食べごろのタイミングを逃さない事。食するタイミングを逃して成熟しすぎたブルーチーズは、アオカビ君の元気が無くなり、ネトっと水っぽさが出てきてしまうので注意。

『アオカビ君チーズ』が、苦手な人には、ただの臭い塊にしか見えないスティルトン・チーズですが、私の食卓には、かなりの頻度で登場する臭いつわもの。サラダやバゲットのトッピング、パスタソース、ドレッシング、ベイキングなど『アオカビ君チーズ』は大活躍。そう言えば、スティルトンを食べすぎると『おかしな夢』を見ると、イギリス人の友達によくからかわれた。(ちなみにイギリス人が言う『おかしな』と言うのは、かなりマニアックな『おかしな』である)

『おかしな夢』の更に上を行く冗談は、ニール・アームストロング船長とバズ・オルドリン船操縦士(アポロ11号)は、月面に着陸したのではなくスティルトン・チーズに着陸したという陰謀論。当時のアメリカは、スティルトン・チーズを月面に仕立て上げ、月面着陸の撮影を『ねつ造』したという、私の友達(彼もイギリス)が考えそうないちゃもんだ。笑 ちなみに、2009年に月周回無人衛星ルナー・リコネサンス・オービターが月面に残された歴代のアポロ宇宙船の残骸を撮影しているので、スティルトン・チーズ陰謀論は没になる。

話をスティルトン・チーズに戻そう。このチーズの特徴は、『アオカビ君チーズ』ファミリーの中では水分が少ない方のチーズ。どちらかと言えば、クリーミーとは言えず、シャープと表現したほうがしっくりくる。青かびの刺激もそれなりに主張するので、甘口かイフルボディのワインとマッチングしたほうが、しっくりくる。某サイトで、スティルトン・チーズの味の特徴を『大理石のように広がる』と表現していた。大理石とはどのような味なのじゃ?と、微笑ましいモーメントだった。私もチーズの味の表現に『履き古したビーチサンダルのような』とか『格安ビジネスホテルの安石鹸のような』とか表現力豊かになる努力が必要ということで、勉強させていただきました。

今日のチーズを使った一品は、スティルトン・チーズと洋ナシとくるみのパイ。サクサクパイ生地の上に甘くキャラメライズした洋ナシと塩っ辛いスティルトン・チーズが絶妙にマッチした私のお気に入りおやつ。お庭のローズマリーをパラパラとふりかけ、適当に焼けば、出来上がり!レシピなんぞ要りません。Simple is the best です。