ジジイと呼ばれる大家㉚ 星の王子様はローズ、ジジイはレモン
3月に入っても寒い。しかも庭の雪が溶けていないではないか?!
ジジイも私も異常だが、気候も異常だ。 つ´Д`)つ
地球温暖化(人為起源の二酸化炭素などの温室効果ガス (GHG)の放出で大気が温まり地球全体の平均気温が上がると理解されている)が原因なのか? 現実は、『夏は激暑で、冬の寒い日は寒波と吹雪』だ。気候の双極性障害である。ハイでもローでも大変だ。
ジジイのオンボロ・アドホック温室が完成して早2年。やはりイタリアンである。オリーブの木とレモンの木を植えている。これらの木の弱点は、寒さに弱い。というよりも彼らにしてみたら、「なんで私達をカナダの地で栽培しようとするの?」である。
冬のオリーブとレモン、見るも痛々しいのだ。
ある雪の積もった朝、温室の様子を見に行くと・・・
なっ、何と?!

ミニ暖房機が設置されている!しかも、暖かい~。(⋈◍>◡<◍)。✧♡
ジジイは必至で、しかも、莫大な光熱費をかけて、やっと実をつけたレモンの木を守っているのだ。しんしんと雪の積もった静かな朝に、暖房機のウィーンという音だけが温室に響く。
世界中にレモンの木が何億本あってもジジイにとっては、このレモンの木が『かけがえのないレモンの木』なのである。数万円の光熱費をかけ、地球温暖化防止を完全に無視し、惜しむことなく熱風を吐き出している。
その時、ふと、フランスの作家サン=テグジュペリの『星の王子様』のローズを思い出した。
“きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ”
どんなにくだらなくても、お金がかかっても、ご近所様に笑われても、ジジイがレモンのために費やした時間が、いつしか「かけがえのないもの」に変わっていくのか・・・
ジジイのおかげで、『星の王子様』を思い出し、朝から心を浄化した私。 それから数週間後。

レモンが黄色くなった。