ジジイと呼ばれる大家㊱ 水漏れに至る日曜大工
ジジイが、「最近は、俺のネタをブログに書いているのか?」と、催促してきたので、今日は、ジジイネタ。
大昔のブログでも紹介済みだが、ジジイの家は、全てDIYなのだ。DIYとは、DO IT BY YOURSELFの略で、ジジイは、根拠のない無茶苦茶な改装をする「日曜大工ジジイ」なのだ。そして、ジジイもよぼよぼになってくれば、家もガタが来る。暴風が吹けば、バルコニーの屋根が飛び、大雨が降れば、どこかしら雨漏りがする。
ジジイの家の一番の弱点は、水回りである。理由は、言うまでもなく、日曜大工がいい加減なため、何一つ、完全に修理されない。トイレのレバーを引くのも、時限爆弾のレバーを引くような錯覚に覚えることもしばしば。笑
そんな、ある朝・・・・。ジャーッ。トイレのレバーを引くと!?なんだ、この洪水は?!トイレの便器の下から水が漏れてくるではないか?!
「ジジイめ、今度は、トイレが故障か・・・」と、いつもの事なので、落ち着いてジジイにメッセージを送る。
私:「おい、ジジイ、トイレが洪水だ」
ジジイ:既読 しかし 無言
私:「ニューデリーのような洪水だ」
ジジイ:「原因は何だ?」
私:「お前のDIYの至らなさだ」
それから、5分後、ジジイが、様子を見に来る。いつものとおり、オンボロアナログ工具を持ってくるのだ。
ジジイ:「これは、便器のワックスリングを取り替えないといかんな」
私:「早う、新しいワックスリングを買いに行け!」
ジジイは、とにかく古いものをため込む癖がある。物置にある古いワックスリングを私のトイレに使用することは阻止しなければならない。あのワックスリングの箱のデザインからすると、あの商品は、1970年代の骨董である。
ジジイは、渋々と、ご近所のハードウエア・ストアーにワックスリングを買いに行く。30分後、トイレを取り外す作業開始。
全ての事において何かが、必ずおかしくなるジジイのDIY。古いワックスリングを取り外し、新しいリングを付けたところまでは、良かったのだが・・・・・
あれっ、リングの高さが足りない。。。。
私:「おい、ジジイ、リングの高さが足りないから水が漏れだしたのでは?」
ジジイ:「・・・・・」
通常、ジジイの無言は、賛成を意味する。
トイレから姿を消したと思ったら、何と、あのレトロな箱を持ってくるではないか?!
選択の余地はなく、第2のレトロ・トイレワックスリング投入。もう、無茶苦茶である。
ジジイは、1時間ほどワックスリングに苦戦し、やっとの思いで、元の位置にトイレを戻したところまではよかったのだが・・・。
あれっ、便器ガタついてる。何故だ?何故、いつもこうなる?
水平調整がほぼ皆無と確約していいジジイのDIYは、家も床も傾き、不陸は当たり前なのだ。そして、ジジイの解決策は、いつもAd hoc(アドホック)なのだ。
『アドホック(ad hoc)は、「特定の目的のための」「限定目的の」などといった意味のラテン語の語句である。ad hocのadは「〜へ」「〜について」、hocは「これ」「この」という意味で、英語では「for this」に相当することになる。ヨーロッパ諸語では様々な語句と組み合わせて用いられている。他にも「とってつけたような」、「その場限りの」といった意味を持つ』
またまたジジイが消えた。今度は、何を持ってくるのだ?これ以上、水回りの拷問はやめてくれ。10分後、ジジイが再び、トイレに現れると、手には、何やら白い物が・・・
えっ、
それって・・・
まさか・・・
風呂場のタイルじゃないかぁ~。涙
「お前のアドホックは、とうとう、風呂場のタイルで水平調整をするまでに落ちたか?」と、ジジイにヤジを入れると、ジジイは、自慢げに「これで大丈夫だ」と、大仕事を成し遂げたように満面の笑みである。

そして、『真実の瞬間』。ジジイがトイレのレバーを引き、水を流す。ジャーァ~。
あっ、水が下から染み出てこない。水漏れ阻止成功だ~。
その次の瞬間。ポタッ、ポタ、ポタ、ポタ、ポタァーーーーーー。止水栓から新たな水漏れがーーーーーーー。…(´Д`驚)…!!
すかさず、受け皿(ヨーグルトの空カップ)を置いて、アドホック。(私もアドホックで、ジジイと同じか・・・涙)
「ジジイ、これどうすんのよ?」
ジジイは、先ずは、一先ず安心と言うことで、『これから先(いつまでだ?!怒)、安全にトイレを使用する方法』を私にレクチャーし始めた。

ジジイのインストラクション:
①トイレに座る時は、重心を中心にして座り、決して、横に重心を傾けない事。
理由:便器が傾くと、再び水漏れのリスクが発生し、最悪の場合には、体重の重みによって、風呂場のタイルが破損する可能性がある。
②トイレットペーパーは、目の前に置き、手を伸ばすときも重心を前に移動してはならない。トイレットペーパーをサイドに置くのは、危険行為とみなす。
③体重を増やしては、ならない。
理由:タイルを割らないよう、日々、注意と努力が必要。
ジジイの日曜大工の中途半端ぶりは、一層甚だしくなり、『一つ直っては、一つ壊れる』と言う神話は確実なものとなった。