35年ぶりに転がったオーディション

私の所属する道場(剣術)にスタント&エキストラ募集の声がかかった。マーシャルアート経験者+日本語ができるor/and 乗馬&弓道経験者であれば、オーディションに参加して!とのカジュアルなEメール。アホな私は、「バトルフィールドじゃなくて着物を着てエキストラで参加したい~」と軽い気持ちで返信をしたら、3秒後には、オーディション参加者グループに入れられていた・・・

オーディションまでには、数日しかない。今更ダイエットをしても意味がないのだが、炭水化物を避けプロテインと野菜だけの食事を取り、居合の型の練習をする。おばちゃんになればなるほど、『継続は力なり』という言葉の真意が骨身にしみる。

若い頃は、『継続は力なり』を実行すれば、良い結果となり成功につながるものだ。要は、今の状態より『何か良い結果』が期待される。おばちゃんになってからの『継続は力なり』とは、努力を続けてやっとこ現状維持ができるのだ。美容、体力、ウエストサイズ、努力があってこその現状維持なのだ。しかも、現状維持にはお金もかかる。涙。サボっていると、体には『肉の鎧』が付き、お肌は荒れ、眉毛はボウボウになり、気が付くと『おっさん』になってしまうのだ。コロナを理由に運動を怠り気味だった生活を反省。

そして、オーディション当日。レジュメには、『ただのエキストラでお願いします』と書いたものの、オーディション参加者全員が、インストラクターの指示に従い立ち回りをしなければならなかった。自分の所属する道場の(立ち回りの)教えは、時間を無駄にすることなく敵のOpening(隙)を見つけ、さっさと相手の動脈を切り、敵を倒す!という無駄のない動きとは真逆のパフォーマンス!さすが、映画の立ち回り、アクションが大きい!大きく切って、切って、また切る~。しかも、インストラクターのお姉さん、ステキ!

私の隣に立っていた無口の『64番』さん。貴方は、元カナダ空手チャンピョンじゃないの~。マジっー。オリンピックまであとちょっとと言われた実力の持ち主。彼の空手デモンストレーションの風を切る音が、むっちゃすごかったわ~。特殊効果音じゃなくて、こんな音、本当に出るのね。感心。

「立ち回りが終わると次は・・・・」と別のインストラクターさんが登場。 

ええっ、次もあるの?!

「次は、受け身」

受け身 = でんぐり返し(前転)?!

・・・・・・

自分が最後にでんぐり返しをしたのは、だぶん小学生。35年以上も転がっていないのよ。。。居合刀には、飛び切りはあっても、転がる型は無い。。。

自分、転がれるのかしら?

おばちゃんになって2つ誇りに思う事。それは、度胸が据わってくることと、開き直りが早いことだ。笑 

しかたない、転がるか。

『コロ、ドタ』たぶん、私の効果音は、こんな感じ。それでもって、映像を加えるとしたら、『よろっ』。

何度もコロコロと転がった後は、地球から重力が無くなったのか?と錯覚するぐらい私の脳みそは、無重力宇宙。

希望としては、大奥の最終列で正座しているエキストラとか、定食屋さんの女将さんとか、戦に出ていくご主人様を送り出す役とか、通行人とかなんですけれど。。。。あえてセリフをもらえたとしたら、「図ったわね、この小娘がぁぁぁ」ぐらいは言える。

それにしてもコロコロ転がったせいで、汗かいちゃったわ。笑

なんだかんだで、オーディション無事終了~。(∩´∀`)∩

帰り道、私の姉ちゃんのような存在のTちゃんから電話があり、どうだったか聞かれたので、「バトル・フィールドで切られ役になったら、『1回は嫁に行ってから死にたかった~』と、叫んで倒れるわ」と言うと、Tちゃんは、「それじゃカットって言われるでしょ」と言うので、「だったら、不死身のエキストラになるっ!」って言ったら、呆れられた。

それから2日後、道場の仲間よりも先にプロダクション会社から連絡がきた。

ありえない・・・・

「Tちゃん、なんで、誰よりも先に私に連絡が来たのかなぁ~」と、聞くと、Tちゃんは、的確に「〇〇の道場仲間は、出演確定で、〇〇の場合は、落とそうか拾おうかの確認のメールだよ」と言われて、すごく納得。そういう事なら、メールの返信には、厚かましくI look good in a Kimonoと書いておこう!