さよなら、エリザベス女王。大好きでした!

私がロンドンに到着して、最初に向かった場所。それは、バッキンガム宮殿。憧れの留学先に到着したら最初に拝みにいかないといけない場所である。イギリスに到着して直ぐに気が付いたのだが、英国君主は、いろいろな物を所有しているのだ。公園、寺院、城、ストリート、トラファルガー広場、特定地域の白鳥、海底・・・・そして、私のお気に入りの英王立植物園キューガーデンなどなど、真の不動産王である。

90年代は、『金食い虫』や『税金の無駄』などと、厳しい批判もされた。当時、私が通っていた大学準備コースのディスカッション課題にもShould the British monarchy be abolished?(イギリスの君主制は廃止されるべきですか?=王室制度を廃止にするべきですか?)というトピックも登場したほどだ。現在の世の中は、共和主義がトレンドであるが、英国ロイヤル大ファンの私は、自称ロイヤリスト。英国王室を批判するクラスメートに向かって「親のすねをかじり、英語力もIQも中途半端な私たちが、英国王室に対して意見をするのはどうなのか?」と、デスったのを覚えている。しかも、留学生は納税者でもないし。

大学が始まり、自分のクラスメートから留学生人口がほぼ消滅した。いよいよ、本格的なキャンパスライフの始まりだ。新たなダイナミック、それは、貴族出身のクラスメートもいれば、中産階級出身者もいた。移民の子供もいたし、自身が幼いころに家族と一緒にUKに移民してきたクラスメートもいた。私がイギリスを心から愛している気持ちが伝わったのか、皆、アジア人留学生の私によくしてくれたのだ。

イギリス人にとって女王の存在は大きかったと思う。当時のクラスメートが、エリザベス女王について「遠くて近い感じ」と表現したのを覚えている。それもそうだ、私達が生まれたころには、彼女は、女王として君臨していたわけだし、エリザベス女王のお祝い事には、ストリートやパブに集まりハッピーな気分にもなった。まったく別世界の人だけれど、いつも身近に感じられる存在。恒例のクリスマスのメッセージでは、政治問題については中立の立場を保ってはいたが、遠回しに数知れない大切なメッセージを私達に残してくれた。

1957年のクリスマスメッセージの一部:

“In the old days the monarch led his soldiers on the battlefield and his leadership at all times was close and personal. Today things are very different. I cannot lead you into battle, I do not give you laws or administer justice but I can do something else, I can give you my heart and my devotion to these old islands and to all the peoples of our brotherhood of nations”

「昔の君主は兵士を率いて戦場に赴き、君主によるリーダーシップはつねに個人的なものでした。しかし現代はすっかり様子が変わっています。私が国民の皆さんを戦場に率いることはないですし、法を制定したり、裁きを与えたりすることもありません。しかし、そんな私にもできることがあります。それは、この古い島々と英連邦に暮らす人々に私の心と愛を捧げることです」

2008年のクリスマスメッセージの一部:

“When life seems hard, the courageous do not lie down and accept defeat; instead, they are all the more determined to struggle for a better future”

「勇敢な者は、困難に直面した時に倒れて敗北を認めたりはしません。そんなときこそ、より良い未来のためにさらに力を振り絞るものです」

情報源:https://www.royal.uk/ 

イギリスには行けないけど、我が家のシルバー・ジュビリー(Silver Jubilee)記念ボックスの上に祭壇を作って、カナダからエリザベス女王の天国での平安を願います。

英国史上最も長く君臨した女王、エリザベス2世。享年96歳。Duty(義務)という言葉は、彼女のためにあるようにギリスに人生を捧げた人間のチャプターが2022年9月8日に幕を閉じました。