ジジイと呼ばれる大家㉜ オンボロトラック、物乞いにも無視される始末・・・
バンクーバーにもいよいよ太陽の季節到来。ガーデンと畑の準備をしなければ!
「おい、ジジイ、ホームセンターに育苗用土を買いにいかないと、土がたりないぞ」と、ジジイにトラックを出すように呼び掛ける。
エンジンをかける前に、何かの調整・・・・

ふっ、古すぎる・・・・
ブルブルブル・・・あっ、動いた。
それでは、出発!
ジジイシリーズ⑤話でも紹介したが、ジジイのオンボロトラックには、ルールとパーソナリティーがある。
ルール1: 決して掃除と洗車をしてはいけない。洗車をするとイイ感じに生えたフロントガラスの緑コケが流されてしまう。ジジイは、これを『禅』と呼ぶ。34年間洗車をしていないらしい。
ルール2: オンボロトラックの悪口を言ってはいけない。悪口を言うとエンジンがかからなくなるらしい。
ルール3: オンボロトラックで超高級住宅地を運転してはいけない。トラックが、場違いな場所に行くと、恥ずかしくなってエンジンが止まってしまうらしい。
「ジジイさ、このトラック、ホームセンターまで行けるのかな?」と、ジジイに言うと、ジジイは、すかさず、「おいっ、このトラックの悪口を言うな!!」と、私にいつもの『ルール』をリマインダーした。
そうだった、この老いぼれトラックは、悪口を言うと、へそを曲げるのだ。
私は、しぶしぶ、黙った。
黙った私の心を読むかのように「おいっ、口で悪口を言わなくても、腹の中で悪いことを考えてもだめだ」と、ジジイがケチをつけた。
ばれてたか・・・・
それにしても、この古いトラック、ある意味シュールレアリスムだわ。笑
あれっ、これって・・・・

カセットテープだ・・・むっちゃ、アナログだわ。笑
無事にホームセンターで土を購入して、その帰り道でのでき事。
Main駅の付近交差点で、赤信号になったので、停車。いつもの物乞いさんが、停車している車に向かって、マグカップを差し出してくる(カップにお金を入れてと言う意味)。
ジジイの車は、信号機から3台目の車だ。物乞いさんは、1台目と2台目の車に、猛烈に物乞いをしている。次は、ジジイのオンボロトラックの番だ・・・・
何と?!物乞いさんは、ジジイのトラックを見た瞬間、ササっと向きを変えて立ち去ったのだ。
あれれれれぇ~。(☉∀☉)
「ジジイ、これって何よ?!、私達、物乞いにバカにされたの?!」
私は、 窓を開け(昔の車なので、窓を開けるにもくるくる回すハンドルで手動)
「おーい、このジジイは、隠れ億万長者だぞぉ~」と、物乞いさんに『人を見かけで判断するな』と伝えたのだ。