オンラインデート:自分のプロファイルにブチ切れ

いったい何人の友人たちからオンラインデートを勧められたことだろうか。。。 

「コロナで出会いも少ないんだから、オンラインデートしかないでしょ」と、元同僚の友人は、私に繰り返した。

しぶしぶアカウントを作り、永遠と続く質問に答えた。質問の例(記憶は定かでないが、一番覚えている質問)は、『収入の少ない友人が、高級車を購入をしました。貴方は、友人に何とコメントしますか?』

①収入が少ないんだから、身の丈に合わない高級な買い物は良くないよ~

②うわぁ~、いいな~

③ねえ、私にも乗らせて~

④大丈夫なの?そんな高級車買って?

うーん。人の買い物なんぞに興味はない。なぜクエスチョネア―に『⑤=自分の勝手にしろ』という選択枠をくれないのか?全ての質問に答えなければならないという事が苦痛でたまらなかった。言語での質問が終わると、四角VS丸のイラストの比較で好きな方をこれでもか?というほど、何回も選ばされた。

やっとこの思いで、全問に回答し、オンライン登録料を支払うと、私のアカウントにパーソナリティーチャート(性格分析)が出てきた。

努力の結果が、チャートになった~と、興奮したのも束の間。

ちょっと待てよ。。。。。

!!

協調性=ほぼ無し

共感度=ほぼ無し

調和=・・・ショックな結果

社会性=標準以下(ちょっとは、あった!)

インテリジェンス=群を抜いて一番スコアーが高かった(あの永遠と続く質問のどこに知識の高さを測る質問があったのか?定かではない)

マスキュリニティ(男性の特質 )=9割確定

フェミニニティ(女性の特質)=雀の涙ほど

+人間として備わってないといけないパーソナリティは、全て平均以下。。。。

Σ( ̄ロ ̄lll) ガーン

この結果(チャート)で私を分析すると、『女の体に入ったサイコパス男』ではないか~。

素晴らしく嬉しくない。どのこチャレンジャーが、このチャートを見て、私にメッセージを送ってくれるのだろうか?

そういえば、小学校の通知表には、決まって『協調性が無い』と書かれ、友達に付き合って会いに行った前世透視では、「貴方、前世は、戦士ばっかりだったから、女に生まれてきた現世は、ちょっと不慣れね~」と笑われたこともあった。それと、「娘さんは、もったいないね~、男に生まれれば良かったのにね」と、母が占い師さんに言われたこともあったっけ。あーっ、女に生まれてきたのが間違いなのか~

ちょっと待てよ。。。

時は、21世紀。自分の性質が時代遅れのマスキュリニティやらフェミニニティやらで、分析されて黙っているのか?! 社会的な性の概念(ジェンダー)が、多様化し流動的になった今日、私が$300以上も払った『性格分析』は、果たしてシモーヌ・ド・ボーヴォワールの時代のジェンダー概念(*参考)から進化を遂げているのだろうか?『マスキュリニティ=9割確定&フェミニニティ=雀の涙ほど』という分析結果は、一体何を基準に判断したのだろう?ついでに、私のマッチ(相性が良いとされるデート相手の提案)は、どんな人たちなんだろうか?

アカウントをクリックしてマッチ達を拝見してみると更にショックな出来事が・・・・・・

私の趣味に合わないお顔と表現するほうが適切なのだが、ストレートに表現をすると、不細工な男たちばかりではないか?!

『不細工男デート応援サイト』にお支払いなど、論外。こんなデートサイトにお金を払うぐらいなら、チャリティーに$300払うわよ!早速、サービスのキャンセルリンクをクリックするが、肝心のキャンセル&返金手続きに飛ばない。しかも、サイトには、カスタマーサービス用のメールアドレスも無ければ、消費者ホットラインさえもない。グーグル検索で、このオンラインデートサイトの被害を検索すると、返金やキャンセルに関するクレームが後を絶たない。苦情数が千件以上も某消費者団体に寄せられているではないか?!

私の一番嫌いな『誠意のないビジネス』である。検索を続けた結果、カスタマーサービス用らしきメールアドレスを入手。早速、オンラインデートサイト宛に、故意的と思えるほど返金ならびにキャンセルがしにくいユーザー・エクスペリエンスを指摘をし、過去の法廷ケースをほじくり返し(ジェンダーバイアスがあった事実など)、消費者ともめた過去のニュース記事をリストアップし、better business bureauに集まる1000件以上の苦情を証拠にダメ出しを連発した。最後に、パーソナリティーチャート(性格分析)に関しては、どの大学の何の研究をもとに私を『女の体に入ったサイコパス男』に仕立て上げたのか証拠を出せーっと、非常に丁寧な言葉を使って説明を求めた。結論、お金のチャージは一切なく、登録も即削除され、私は大満足。もちろん、私の友達には呆れられた。

オンラインデートサイトの一件で改めて、今日の社会に根付くGender stereotypes(性(差)による固定観念)の課題に気づかされた。

*参考

『第二の性(The Second Sex)』(1949年)の著者であるボーヴォワールは、女性らしさとは、社会的に作られた約束事(期待される役割)に過ぎないと下記の名言を世に送り出した:

  • 「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」

(注:好き好んで『女』になるわけでは無いので、勘違いはしないように!)

  • 「男は人間として定義され、女は女性として定義される。女が人間として振る舞うと男のまねをしているといわれる」