ジジイと呼ばれる大家⑧永遠のライバル、アライグマ その2

それは、ある真夜中の出来事。すさまじい音がベランダでした。どうせ、ジジイかアライグマである。わざわざ外に出て状況を確認するのも面倒だったので、そのまま寝た。

翌朝、ベランダにあがっていくと。。。。

なんと、ベランダのプラスチック素材の屋根に大きな穴が!

「アライグマがダイブしたんだ」と、ジジイがいきなり後ろから現れた。

ダ、ダイブか・・・・・・

穴の大きさからして、かなり本気のダイブをしたと見受けられる。見事だ、アライグマ。君は、ここまで体を張って、ジジイと戦っているのか?

中途半端に戦っては、ジジイに勝てないと、アライグマの覚悟さえ感じる。

「あいつ、賢くなってきてるんじゃない?大したものね!」と、私は笑った。

「今年の桃もイチジクもブドウも、みんなやられちゃうわね」と、ジジイを脅す。

「・・・・・・・・」ジジイ、黙る。

ベランダのソファは、アライグマにいいように使われ、ゴム銃(スリングショット)は、アライグマにかすりもしない。挙句の果て、屋根は破壊される。奴のほうが何倍も上手である。

それから、数日後、ジジイが、「桃の木にボディーガードを付けた」と誇らしげに言ってくるので、早速、桃の木の様子を見に行くと。。。。

おっ、君は、ジジイのクリーピー(気味の悪い)なベビートイ(ジジイは、自分が幼年期に遊んでいたぬいぐるみを未だ捨てずに持っている)ではないか?!去年の私のハロウィン犯罪現場写真では、かなりの実力を発揮してもらった脇役者こと、『オンボロ熊蔵君』。臨場感あふれる死体役では、右に出る物は君以外にはいない。

今年は、ツリーガードでデビューね!

でも、このポジション、ちょっとSM入った拷問では?『オンボロ熊蔵君』お疲れさま。うふっ。君もアライグマも、汚さでは、タイを張るいい勝負よ。

こうして、今年も意味のないジジイとアライグマの戦いは、続くのでありました。