ジジイと呼ばれる大家⑫ボロ家で運だめし
ジジイの家は、とにかくボロイのだ。数年前に電気工事士のおじちゃんたちが、ジジイの家の古い配線整備に来たことがあった。私にしてみると、免許を持ったプロの方は、『天使』なのである。とにかく、ちゃんとした人にジジイのDIY修理を見てもらわない事には、不安でたまらない。
当時、私のユニットで作業をするおじちゃんたちの会話に聞き耳を立てていたら、「なんてことだ。。。。信じられない」とか、「これ、どうなってるんだ?」とか、挙句の果てには、「この家で、感電被害や電気火災が起こらなくて本当に良かったね。いつ大事故が起きてもおかしくはないよ、この家は。Hahaha―」と、笑っていた。おじちゃんたちの話を聞いている私の心臓はバクバクであった。
それは、去年の痛い出来事。寒い日の早朝にジジイの玄関アプローチ(玄関に行くまでの階段)で、すっこけ被害が多発した。最初の被害者は、郵便配達のおじさん。見事に凍結&苔の生えた階段ですっこけた。次の被害者は、私。郵便受けを見に行って、すっこけた。お尻に大あざができた。涙
そして、最後の被害者は、ジジイ本人。ジジイもすっこけた。という事で、とうとうジジイは、アプローチを新しくすることに決めた。と言っても、実際の工事が始まるまでに、数ヵ月もかかった。。。。
やっと工事着手!これで、私は二度とすっこけることなく、ジジイの階段を安心して上がり降りできるのだ!普通の事が無いジジイの家は、安全基準が平均に達成するという『当たり前の』事だけで、かなり興奮を覚える。
工事当日、階段の第1段目が、撤去された。
なんと!!!

階段の足が完全に腐っているではないか?!しかも、足とブロック塀の微妙な隙間を壁タイルやら2x4木材の切れ端で微調整をするという必殺『ad hoc(その場限りの対応)』が、ここにも健在・・・・・

何かが起こるとは予期していたが、ジジイのやらかすことは決していい意味で期待を裏切らない。『知らぬが仏』というのは、まさにこういうことだ。ジジイの階段がこんなに不安定かつ危険と知っていたら、絶対に郵便受けの確認などしなかったのに。。。。何も起こらなくて良かった。( ; ´ ₃ `)ふぅ~
「この絶妙なad hocのおかげで階段が崩れないのだ」と自負する自身満々のジジイの横で、さっさと、規制線(イエローテープ)を張る私。去年のハロウィンの残りのイエローテープを張り巡らせておけば、郵便配達のおじさんにも階段の危険性がわかるであろう。おじさん、もうコケないでね~。
そういえば、『オンボロ熊蔵君』は、未だにピーチの木の周辺でうろうろしていたっけ。イエローテープと言ったら、『オンボロ熊蔵君』の出番である。階段に『オンボロ熊蔵君』を置いて、鑑識用標識(番号)を置くと・・・・

ジャジャーン。事故現場の出来上がり。『オンボロ熊蔵君』今日もいい感じ!