チーズにも季節感あり。フォンティーナチーズで、秋の到来を楽しもう !

フォンティーナチーズは、牛の乳を原料とするセミハードタイプのイタリア産チーズ。現在では、イタリアンスタイルと都合のよい代名詞をつけてデンマーク、スウェーデン、アメリカ、フランス、カナダのケベック州、アルゼンチンなどでも生産されている。

今日は、本家本元のフォンティーナチーズについて知ってもらいたい。フォンティーナの故郷は、イタリア北部(フランスよりのアルプス)の山岳部であるアオスタ渓谷をはじめとする幾つかの渓谷で作られている。ヴァッレ・ダオスタ州でグーグル検索をすると、THEアルプスと言わんばかりの雄大な風景が出てくる。

この地域で、夏の6月から9月の間に放牧されたアオスタ種の牛ちゃん達からミルクを搾乳して作るのが本家本元の『アルペッジオ』と呼ばれるフォンティーナチーズなのである。牛ちゃん達は、サイレージなどの飼料は一切食べず、山の牧草とハーブを食べて乳を出すので、チーズの質も風味も最高なのである。ちなみにチーズの食べごろは秋から冬!

表皮は薄赤茶色でしっとりとしているのが特徴。表皮を塩水で洗いながら熟成させている(ウォッシュタイプのチーズ)ので、チーズの皮が自然にできるのだ。自然製法(シンプルに発酵+熟成)なので、癖のある香りも特徴の1つ。それでは、気になるチーズのお味はというと?

実は、アルペッジオが好みの味か否かは、意見が大きく分かれるのだ。

実際に、本家本元のアルペッジオと、まがい物(イタリアンスタイル)フォンティーナチーズを友人たちに食べ比べをしてもらったところ、驚くことにまがい物を選んだ友人が多かったのだ。

ガビ━━━━((゚Д゚; ))━━━━ン

まがい物を選んだゲストたちよ、次回から君たちのパーティーフードは、ドミノ・ピザにさせてもらうぞ!

まがい物フォンティーナチーズを代表するブランドは、BelGioioso Fontina Cheese、Boar’s Head Fontina Cheese、Sartori Classic Cheese Fontinaなど、近所のスーパーで購入できるアメリカ産のチーズである。赤いワックスで包まれているので、一目で、アルペッジオではないとわかる。それなりに美味しいが、工場生産の味である。

一方、私のこだわるアルペッジオの風味の特徴は、山の土臭いとでも表現しようか?マッシュルームのような素朴な匂い(英語で言うとEarthy)がして、ヘーゼルナッツのような風味があるのだ。チーズを口に入れると、私の想像力は、イタリアのアルプスに一っ飛び。大自然を想像させる何故か懐かしい気持ちにさせてくれる味。自分自身が山のある土地で育ったので、野生のキノコや山菜などを好む味覚になっているのであろう。

冬を乗り切るための栄養保存食として作られたアルペッジオ。まさに『山のチーズ』である。本家本元のアルペッジオを確認する方法は、“FONTINA”という文字を含むマッターホルンの組合のスタンプ(山のマークと品名がスタンプ)により、アオスタ渓谷のフォンティーナであると確認できるのだ。

チーズ文化は奥が深いなぁ~、と、おばちゃんのチーズへの愛はますます深まる秋でした。

ディナーパーティーのゲストさんが作ってくれたピザ・ビアンコ