春だ!お出かけをして幸せを感じられる時間をたくさん作ろう。

私が日本に帰国すると必ず起こること。それは、私と一緒にいる友人たちが、「この人、見た目は日本人なんですけど、日本人じゃないんで・・・許してあげてください」と私の代わりに謝ってくれることである。今回も久々に会った友人と中華街で食事をしていて「私、道場(私のお稽古先)では、石田ゆり子を演じてるんだよね。うふっ」と、言った瞬間、「ばっかじゃーねーの」と、友人が、全力投球で顔の筋肉を強張らせて私にブーイングを投げてきたと思ったら、お隣でお昼を食べていたお客さんが噴き出したのだ。私たちの会話を聞くつもりはなかったと深々と頭を下げるお客さんに対して、友人は、大声で話し、石田ゆり子を演じる私が悪いのだから、思わず吹き出してしまったお客さんが悪いのではないと、お客さんにお詫びをしていた。別の日には、別の友人が、デパートで店員さんに謝っていた。また別の日も、別の友人が饅頭屋さんに謝っていた。友人曰く、「味見は、遠慮して食べ、お茶なんぞお願いするのはもってのほか!」と、お叱りを受けた。デパ地下やお土産屋さんで、袋を余分に入れる店員さんに対して、「ごみは不要」と断ると、私の横に立っていた友人は、このような無駄な消費を日本流の翻訳で解釈すると『気遣い』であると解説してくれた。この話を別の友人にすると、そのお姉さんからは、そういう時は、「もったいないから、袋は要りません」と、断り方を伝授してくれた。あれから心の中で「もったいないから、袋は要りません」と何度も復唱して、実際に言えるように練習をしている。

『本音』と『建て前』の使い分けができるまでには、今後の輪廻転生で何回生まれ変わればよいのだろうか?今世では、失言の連発なので失敗を笑いに換えて何とかしらーっと乗り越えてきている。まだ、刺されてはいないので、次の生まれ変わりを気にすることは無いが、贅沢を言わせてもらえば、石田ゆり子に生まれ変われれば良いと思っている。日本の皆さん、今回の里帰りでもご迷惑をおかけしました。

久々の日本。ちょっと気になることがありました。それは、笑顔の人が少なかったこと。働く人も、通勤や通学の人も、ストリートに出てる人も・・・・笑顔でなくとも、せめて『今日も生きていて楽しい』とか『良かった』とか、ポジティブなことを考えると自然に顔の筋肉がリラックスする、そんな表情の人がとても少なかったかな。

日本の社会は、どちらかと言うと集団主義だ。社会のシステムが、個人を監視し、ルールを押し付けることにより統制を取る。他人の目を気にするがために、自分自身で自分の自由を犠牲にせざるを得ない状況が、いたるところにあるのだ。このままでは、日本人の幸福度が、どんどん下がってしまう。治安が悪くなり悪人が増えているのは事実だが、日本人の気質は、非常に良い。正直であり、真面目であり、狂暴ではない。また、いざという時には、自己犠牲を選ぶ国民でもある。もっと幸せになっても良い人たちである。

自分たちはもっと幸せになる価値があるということに気が付いてほしい。日本で頑張っているみなさんは、それに値する(You deserve it)のだ。人生の目的は幸せになることだけではないが、長い人生、幸せを感じる時が多いいほうが良いに決まっている。だから決してあきらめてはいけないと思う。

そろそろ春にもなるし、コロナ規制も緩和されるから、気分転換にお出かけしましょう。懐かしい友人に会いに行くのも自分の母校を訪れるのも良し。お土産をたくさん持って家族や親せきに会いに行くのも良い。コンサートに行くのも良いアイデアだ。憧れの人の住む国に旅行に行くのも良いかも?ワーキングホリデーや留学で、異国文化に触れても良い。人生一度きり、自分が幸せを感じられる時間をたくさん作ってください。